紗弥香: でも、感じたことって説明できないじゃん。じゃーさ、ここの文を読んだらこう感じたので、これだと思います!って答えればいいの?
梨花: そういう事じゃなくて。清水の場合は……えっと
紗弥香: 何々!?私の場合なんなの?
和司: 多分、佐々木さんが言いたいのは、清水さんはもう少し落ち着いて考えればいいんじゃないかってことだと思うけど
紗弥香: 落ち着いて、考える?
和司: 僕や佐々木さんは「リンゴが1個ある。もう1個、清水さんが持ってきた。1+1=2だから、リンゴは今2個ある」って言う具合に、1つずつ考えていくんだよ。1ステップずつ
紗弥香: うんうん?でも、それってめんどくさくない?だってさ、「リンゴが2個あったからアップルパイにした!」でいいじゃない?
梨花: ……アップルパイはどこから出てきたのよ…?
紗弥香: 今!私の頭から!
梨花: 浦浜くん、なんか、すごく疲れたんだけど、私
和司: 思考が飛躍するね、清水さんは。佐々木さんは偉いよ、そんな清水さんに細かいところを聞いて論理だった答えを導き出そうとしているんだから
梨花: 私より小暮くんの方がこういうのは向いてるよ?
和司: そうだろうな。あいつは僕らよりは感覚的だから
紗弥香: なんか難しい事話してるけど!感じたことを伝える言葉って、少ないのも大変な事の1つなのかも?
和司: 感覚を表す言葉のバリエーションが少ない、って事?
紗弥香: た、多分そう。例えば、殺人予告を見たときの怖いと、幽霊屋敷に行くときの怖いって違うよね?
梨花: 例題が突飛すぎて、想像できない…
和司: 現実に起こり得るまたは起きた物事に対する恐怖と未知なるものへの恐怖は別物だよね。
紗弥香: でしょ!そういう事!!
梨花: そ、そう……
和司: そういう事にしておこうか
紗弥香: ではでは、また次回!