アテネ:せっかくだし、一人ずつ考えてみる?
ウィーン:そうね。じゃあパリスから
アテネ:よりによって彼女からなのね(笑い声がこぼれる
ウィーン:バカのクセにいろいろと思い悩むからほんと危なっかしくって目が離せないのよね
アテネ:本質はウィーンが言ってる通りなんだと思うけど、普段はそれを馬鹿明るい言動で隠してる気がするの
ウィーン:そういえば、ルルが淀みのことを聞きに来たことがあるわ。同じ「流れるもの」だから淀みが如実に出るのが私だし
アテネ:そうだったんだ。ってことは、パリスは淀みかけたことがあるのかもしれない
ウィーン:そうね…ガサツなようでいて繊細なんじゃないのかしらね、パリスは
アテネ:そうね、そういう事なのかも
ウィーン:じゃあ次ね。カイロかな?
アテネ:才能の無駄遣い。頭いいんだから何が良くて何が悪いのか分かってるはずなのにあの態度っていうのがむかつくわ
ウィーン:アテネは真面目だし、特にそう思うのかもね。息抜きが必要なのは認めるけど、あいつのあれはいただけない、ってのが私の意見かしら。時と場所をわきまえろ、って思う
アテネ:本当にそうよね。説教しても堪えないし、反省文も適当に書きあげちゃうし、課題増やしても最終的には自力で解いちゃうし、ほんと嫌になっちゃう
ウィーン:先生方の苦労を垣間見てるからね、私たちは特にそう思うのよ。でもカイロは学校に来なくっても良かったんじゃないかと思うわ
アテネ:アレは家の事情で放り込まれたんだと思うけど
ウィーン:歴史家一家、だっけね。そうか、そうなると学が無いとだめね
アテネ:頭は良いから真面目に勉強したらいいのに…
ウィーン:アテネ、あいつの事を心配する必要は全くないよ?むしろ、私たちは突き放そう
アテネ:そうね!……じゃあ次、リアド?
ウィーン:根は優しいし、ちょっと押しに弱いってだけなんだと思うけど
アテネ:アレでいて「りくち」じゃちょっとした話題になるぐらいの力持ってるのよ
ウィーン:そうなの?
アテネ:酸素濃度が全然違うから苦労してるみたいだし。実はいいやつなのにパッとしないのよね
ウィーン:悪乗りすることも少ないし、勉強はいっぱいいっぱいだけど頑張ってるし。そうやって考えるとリアド自体は問題児って感じはしないわよね
アテネ:リアドに「断る」ってスキルが出来れば大分変ると思うんだけど…
ウィーン:そういう事なの。そればかりはどうしようもないわね
アテネ:でしょう?だからできるだけ関わるな、ってアドバイスぐらいしかできないのよ
ウィーン:納得したわ。…じゃあ最後ね、モスクワ
アテネ:行動も見た目もイケメンなのに、熟語とか壊滅的
ウィーン:外面と本性が大違い。外面はよく笑顔張り付けてるけど、本当は面倒くさいとかって考えてるのよ、あいつは
アテネ:確かに、面倒くさがりよね。普段の生活じゃああんまり見せないけど
ウィーン:あと、ご飯とか睡眠とか、すごく生きていくのに必要な欲求が強いよね
アテネ:モスクワは「みずのなか」で何か噂になったこととかはないの?
ウィーン:……あいつの力の強さは問題になったことがあるみたいだけど
アテネ:…岩壁作るほどの土を、それも土が無い「そら」で作っちゃうようなやつだから、なんとなく想像つくけど
ウィーン:詳しいところは聞いたことないけど、地形を簡単に変えちゃったみたいよ?
アテネ:うわぁ……モスクワは能力の制御のためにいるってことね
ウィーン:そうでしょうね
アテネ:そろそろネタも切れてきたんだけど
ウィーン:じゃあ、お開きにしましょうか
(2人連れだって部屋から出ていく)
(しばらくして男子3人が部屋に入ってくる)
カイロ:才能の無駄遣い、ねえ…(悪い事を考えてる笑顔)
リアド:押しに弱い、って自覚はあるんだ……
モスクワ:人間、なにか1つは良い事があるもんだろー。能力の暴発、大変なんだぞー
カイロ:モスクワ、暴走な
モスクワ:おう!
リアド:絶対覚える気ないだろ、モスクワ。あああ、押しが弱い……
カイロ:リアドは大切なものが大切過ぎて大事にしすぎて自滅するタイプだろ
リアド:(ぐさぁ)うう…(膝と両手を地面について落ち込みのポーズ
モスクワ:あー、リアドが再起不能になってっから、ここまでな。じゃーなー